武田 陽介「Stay Gold」

Photographs
ーDigital Flareー
2014年3月26日~ 4月25日

‘Nothing Gold Can Stay’

Nature’s first green is gold,
Her hardest hue to hold.
Her early leaf’s a flower;
But only so an hour.
Then leaf subsides to leaf.
So Eden sank to grief,
So dawn goes down to day.
Nothing gold can stay.
-Robert Frost-

Stay Goldとは抵抗である。
Nothing Gold Can Stay = 変わらないものは何もない、という正しさを知りながら、それでも、変わらないもの、変わらないことの傍らに立つという抵抗である。

それこそ、僕にとっての「写真」であるように思う。武田陽介


新作「Digital Flare」は、間違っている(とされている)テクニックを組み合わせて、写真(ストレートフォト)が、現実の記録でないことをシンプルに提示する作品である。

センサーの許容範囲(=latitude)をオーバーするハイライトを被写体とすることで、調整できないデータ上の不可侵領域を現像させる。また、本来であれば補正されるべき光学的な特性にフォーカスを合わせることで、レンズ自体のテクスチャーを被写体としている。そのとき画面上の光は、実際には支持体(印画紙)そのものである。

それでも可視化されよう光は一体何であるのだろうか。 空蓮房