森石川山水図

石川竜一 X 森ナナ
キュレーション:大倉佑亮
2022年10月26日(水)〜 12月9日(金)

空蓮房では、「森石川山水図」展を開催いたします。

本展は、大倉佑亮をキュレーターとして迎え、書家・森 ナナと、写真家・石川竜一を出展作家に、現代の「山水」を探る展覧会です。
2021年、東京・The 5th Floorで開催された「絶景の瞬間」展に続き、2回目の共同プロジェクトです。

自然なるものを代表する「山」「水」という二字を連ねた「山水」は、その意味や表象が、時代や場所によって変化してきました。古代中国から脈々と続く山水思想は、様々な文化と関わり合い、山水詩や、水墨山水画などの東洋芸術を生み出してきました。
山水――自然なるもの――の奥に隠されている根源的感覚を直観するその感受性は、現代に生きる私たちにも受け継がれていると思います。

「森石川山水図」では、森と石川の同時代作品にある山水感覚を、空蓮房の瞑想の場で探ります。
展示される森と石川の作品は、近年発表された、いのちあるものの生死に真正面から向き合う経験を通し制作されたシリーズに加え、本展のために共同制作した「森石川山水図」も発表いたします。

写真と書という異なる表現手段から出発し、別々に展開されてきたふたりの同時代作品をひとつの場に交差させることで、自然と人間の関係を問い直し、混迷極まる今を生きぬく力になるような野性から古くて新しい「山水」を感覚していただけたら幸いです。

空蓮房


石川竜一

1984年沖縄県生まれ、沖縄国際大学社会文化学科卒業。在学中に写真と出会う。
2014年に沖縄の人々や身近な環境で撮影したスナップを纏めた『okinawan portraits 2010-2012』『絶景のポリフォニー』を発表し、木村伊兵衛賞、日本写真協会新人賞、沖縄タイムス芸術選奨奨励賞を受賞。日常のスナップやポートレイトを中心に現代の矛盾と混沌に向き合いつつも、そこから光を探るような作品を発表し、活動の場を日本国内外に広げ、その内容もビデオ作品や他ジャンルのアーティストとの共作、ミュージシャンとのセッションなど多岐にわたる。

森 ナナ

1990年 福岡県生まれ。書家の家庭に生まれ、幼少期より書に親しむ。2016年 東京藝術大学大学院美術研究科 先端芸術表現専攻 修了。
個展に「瞬間」PURPLE(京都 2022年)、「Nucleus」KANAKAWANISHI GALLERY(東京 2018年)、参加した展覧会に「瀬戸内国際芸術祭」粟島(香川 2022年)、石川竜一+森 ナナ展「絶景の瞬間」The 5th Floor(東京 2021年)、「美大生展」SEZON ART GALLERY(東京 2016年)など。

大倉佑亮

1988年 兵庫県生まれ、京都市在住。京都大学総合人間学部 創造行為論専修 卒業。
寳幢寺僧院長/武術家、松波龍源師に師事し、仏教哲学としての太極拳を身体を通して学ぶ。現在、京都芸術大学美術工芸学科日本画コース非常勤講師や、国際芸術祭の企画・運営も務める。企画・キュレーションした展覧会に、石川竜一+森 ナナ展「絶景の瞬間」The 5th Floor(東京 2021年)、森 ナナ展「瞬間」PURPLE(京都 2022年)がある。